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Clik here to view.「演繹」と「帰納」という言葉は、
それぞれ違う推論の方法を表す言葉です。
ところが、いつもどっちがどっちの意味だったか分からなくなります。
(私だけでしょうか)
この言葉が出てくるたびに辞書を引いているとかなり非効率的なので、
何とか良い覚え方はないかと思ってました。
そこで、漢字の意味とイメージを図にして整理してみました。
これで、毎回どっちだっけとならずに済む...はずです。
そもそもどういう意味
演繹と帰納はどちらも物事を推定する方法を表す言葉です。
それぞれ別の方法を表しているのでここで改めて意味を確認しましょう。
演繹とは
演繹とは一般的な前提から、個別についての結論を推論する方法です。
次のソクラテスの例がよく説明に用いられます。
一般的な前提: 「人間は死ぬ」
「ソクラテスは人間である」
個別の結論:「ソクラテスは死ぬ」
一般的な前提とは人間のようにいわゆる大きい主語を含んだ前提です。
その主語に含まれるソクラテスと言う個別の人間について、
「ソクラテスは死ぬ」という結論を導くことを演繹と言います。
つまり、「一般→個別」の流れの推論が演繹です。
帰納とは
帰納とは個別の事実から、一般的な法則・規則性を推論する方法です。
よく挙げられる例としては次のようなカラスの例があります。
個別の事実:「カラスAは黒色である」
「カラスBは黒色である」
・・・
一般的な法則:「(まだ見ていない物も含めて)全てのカラスは黒い」
ありとあらゆるカラスを確認するのは難しいですが、
見かけた個別のカラスが黒いと言う事は確認できます。
今まで見てきたカラスがどれも黒いと言うことから、
きっと見たことのないカラスも含めて、
カラスと言うのは黒いものだと言う一般的な法則を推論するのが帰納です。
つまり「個別→一般」の流れの推論が帰納です。
この帰納を過剰に働かせ過ぎると「主語が大きく」なります。
漢字のイメージ
新上で見てきたように演繹と帰納は、
「一般から個別」「個別から一般」と言う流れに注目すると、
全く逆の推論方法です。
ところが感じを見たときにこの流れがあまり見えてこなくて、
どっちがどっちだったか分からなくなることがよくあります。
そこで漢字のイメージを個別と一般のイメージにすり合わせて、
意味を整理してみたいと思います。
演繹のイメージ
演繹の「繹」と言う漢字に注目します。
「繹」は「いとへん」を持っていて、
糸を引き出すと言う意味があります。
演繹は大きな主語を持つ一般的な前提から、
個別の結論を引っ張ってくることでした。
個別の事実を細い糸、
一般の事実をその糸を巻き付けたものと考えれば、
下図で糸を引き出すことが、
演繹のイメージになります。
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帰納のイメージ
帰納は帰す・納めるという漢字が使われるので、
上図の糸を巻いて戻すというイメージがしっくりきます。
個別の事実の糸を巻き付けることで、
より大きな一般の事実を導くイメージですね。
英語では?
日本語の「演繹」と「帰納」では、
ぱっと見で反対の意味を表していることが分かりにくいですね。
一方で英語では 「induction (帰納)」と 「deduction(演繹)」であり、
対応関係が一眼で分かります。
対応してる事はすぐにわかっても、
どちらがどちらだったか問題はここでも起こります。
ここでもやはり糸巻きのイメージが使えます。
糸を巻いて戻す方が in-duction で、
反対に、糸を外に引き出す方が de-duction と考えれば、
「一般」「個別」の関係が分かりやすくなります。
まとめ
私自身がよく演繹と帰納の
どちらがどちらの意味かわからなくなるので、
忘れないためのイメージをまとめてみました。
これで辞書を引く手間が減り、
本をスラスラ読めるようになると嬉しいです。